『金嶽宗信. [禅的]持たない生き方』『読書感想』『本来無一物』

#今まで本の解説としてブログを運営させていただいていたのですが、今回から『本感想』として書かせていただきます。

これは読ませていただいている本と自身のブログの価値を同一化するような発信方法がよくないと思った為です。(個人的な方向転換となります)

他の記事も追って最新させていただきます。

本書の筆者の経歴

この本の筆者は12歳で仏門に入り20年間修行をしてこられた、臨済宗大徳寺派香林院の住職をしている金嶽宗信聖人によって書かれた本です。

本書は最後の方に「時節因縁」という言葉を紹介しています。

人の変化は時間を必要とする物です、仏教においても師匠は弟子の修行の様子を普通はじっと見ているだけで働きかけをしません。

あるタイミングを見計らって声をかけると、パッと変化が生まれる、そのことを「時節因縁」と呼ぶのだそうです。

実際本書も全体を通して、経験談を中心とした押し付けがましくない内容になっています。

つまり、問題とその問題の答えを明確に全て提示しているわけではなく、その為にストレスがかからず、結果安定感のある本であると感じる…そんな本書でした。

筆者は10歳の時一休さんの話を読み「悟りは学問ではない」という話に感銘を受け一休さんのお寺らである京都の大徳寺で修行をしたいと思うようになったといいます。

その後大徳寺に今すぐ修行をしたいと伝えたところ、小学校を卒業してからということになり、小学校を卒業し12歳で仏門に入ったのです。

その後10代の間はお寺か学校に通う生活をし、大学を出たのち雲水修行(雲水とは専業での修行僧のことらしいです)を始めたとあります。

雲水修行について

雲水修行について本書には以下のようにあります。

雲水修行というのは、とても厳しいものです。 道場によって多少の違いはありますが、毎朝午前三時半に起床したあと、本堂で読経をし、禅堂で坐禅をします。 坐禅の途中にお師匠さんの部屋に行き、禅問答をします。 その後、お粥の朝食をとり、堂内の掃除をします。 午前中は日によって違いますが、托鉢に出かけたり、お師匠さんの講義を受けたり、剃髪をしたりします。

金嶽宗信. [禅的]持たない生き方

十一時には一汁一菜の食事をとり、一時間の休憩。その後は、畑仕事や薪割りなどの作業をします。 夕方になると、本堂で読経をし、「薬石」といわれる夕食をとります。 そして、坐禅をしてお師匠さんの指導を受け、夜九時には消灯します。 消灯後はすぐに寝るのではなく、各々坐禅をしたあと十一時過ぎに就寝します。

金嶽宗信. [禅的]持たない生き方

如何にものを使わずにどう生きるか、執着を生み出すものをどう少なくするかが修行の軸となっている

本書はそう説明します。

実際にお寺での生活の中で自分の持ち物は数えるほどしかなく、食べ物や楽しみに至るまで全てが質素です。

家貧しく、道とむ

少ないからこそ、その中で工夫をし、自分自身の中に楽しさを見つけることができるのだと、

本書は説いています。

本来無一物

全ては借りもの、やがて返すもの

本書は冒頭で、数えきれないほどの選択肢の中で生きるより、少しの制約があったほうが人生が豊かになると説明している。

人生を生きる上で、ものを持っているからこそ出来ることは沢山あるように思えます。

しかし、実は何も持っていなからこそできる道はもっと広いかもしれません。

仏教では本来無一物と言って自分が持っていることは本来、一つもないという考えがあるそうです。

面白いことに、『人生の短について』で セネカは

最後まで一緒にいるのは精神の身であり、それ以外のものは自身の体であっても運命からの借り物でしかない。

受け取った時よりもより良くして返せばいいのだと説いています。

面白いことにその時代のストア派の哲学の実践方法は仏教の修行に通ずるところがあります。

人生の短さについて』はこちらで1度記事を書かせていただいています。

悟りとは安心をえること

話が少し逸れてしまいました仏教には「悟り」という一つの通過点と言っていい境地があります。

本書は仏教でいう悟りとは安心を得ることだと説きます。

これは自分の心にも周囲の環境にも開いている状態であると言ってもいいかもしれません。

つまり、悟りとは行動の制約を作り上げるものではなく、行動の制約を無限に広げ、その中において確実な一歩一歩の歩みに注意を向けているということ捉えることができます。

本書は人生とは1人で作り上げることができるものではないと重ねて説いています。

生きるということは1人でできるものでない

孤独とは自立の上に成り立つものある。

周囲の環境に関係なく、常に主体的であるこの重要性を本書は幾度も説いています。

完璧さは外にあるわけではなく、また安心感も幸福も外にあるわけではありません。

全てのことにおいて自分の内面と向き合うことが重要であり

そのきっかけに本書がなればありがたいと本書は最後に述べ、とじています。


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『金嶽宗信. [禅的]持たない生き方』と調べても確実にヒットすると思います。

ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

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